「第4回上映後Q&A」

(2・11 17:00〜) 
英語字幕版・8割の入り 
(通訳) 梶村 昌世
(出演) 森﨑  東【監督】
     倍賞美津子【女優】
     近藤 昭二【脚本家】
     志摩 敏樹【プロデューサー】

 近未来空間のような巨大なドームに覆われ、いくつもの建物がぐるりと並ぶ。その中のひとつにCineSter 8のネオンサイン。まさcinestarimaxにシネマ・コンプレックスの劇場である。シネコンはどこの国でも同じような内装である。
 前日の熱狂ぶりはすさまじかったが、少しテンションが高すぎたかもしれない。本日は落ち着いた大人の雰囲気である。英語字幕版の上映だったためか、客席は8割の入り具合…8割の入りでもかなりな観客数だから、やはりベルリン恐るべしである。
 昨日とは別の女性が司会進行。順次招かれる監督、倍賞さん、近藤さん、志摩さん。
※(以前に触れた同じ内容の質問、回答は出来る限り割愛)●女性司会者「この映画で語られる汚職のテーマは、実際の事件に基づいて作られているのだと聞きました。この汚職のテーマを、知的障害の男の子がみつめるように物語は展開しているのですが、このような着想は脚本の近藤さんと監督の間で、どのように作り上げられたのでしょうか」

●森﨑「最初から絡めていこうと考えていたわけではありません。ずっと以前から考えていた男の子の話がまずありまして、あとから汚職の話を盛り込んで言ったのです」
●中年・男性客「直子の母親が愛しているのに夫と別れたのは、夫のためなのだという台詞がありますが、何故別れなければならないのか理解できませんでした。何故彼女は夫の仕事のために別れなければならなかったのでしょうか。また、彼女の病気は何だったのでしょうか」
●森﨑「(頭を掻きながら)私が観客なら同じ質問をしたと思います」
     ◆場内に笑い。
●森﨑「私の中でもここが解り難いのは、今回のシナリオのウイーク・ポイントだなぁという意識がない訳ではありませんから。あの母親は自分が妻である限り、夫は自分の信じていた警察官としての
仕事に打ち込む事が出来ないと考えたんです。1つは、病気の自分を抱えていかねばならないこと。も1つは、汚職をしている検察官が、彼女の実の兄である以上、夫はその姻戚関係で汚職を隠す側に回ってしまう。夫は、自分と、警察官として本来の職務を全うすべきだと考える自分に板挟みになるだろうと考えたのです。悩みを振り捨てて仕事に邁進して欲しいと妻は思うのです。そんな本来の夫の姿に惚れているのだと。だから彼女は自分から別れるしかないと考えたんです。
 あと、彼女の病気ですが、鋭いご指摘のとおり、映画の中では説明しておりません(笑)。説明はしませんでしたが、台本上のこちらの思いとしては、膠原病という設定でした」
 以降、《タイトルについて》《知的障害について》《汚職について》と以前と同様の質疑応答が続いたため、割愛。

Cinestar8●女性司会者「ところで、倍賞さんに質問です。20年前に『生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ党宣言』という映画で、監督の作品に主演されていますが、今回再び監督の作品に主演された経緯をお聞かせ下さい」
●倍賞「そもそも私が女優として、松竹という日本の映画会社に入った時、監督もその松竹にいらっしゃったんです。私の主演デビューと森﨑監督の監督デビューは同じ作品で、それ以来ですから34年ものお付き合いなんです。その34年という年月の中で、私個人も結婚したり子供を生んだり離婚をしたり、さまざまな人生の節目を通ってきましたが、その節目節目の時期に、何故か監督とお仕事をご一緒しています。そういうめぐり合わせなのかもしれません (笑)」
●女性司会者「この映画の母親というのは、私たちのステレオタイプなイメージの日本の女性と違って、家族の上下関係をもひっくり返してしまう強い女性、自立した女性だと感じました。それは、この母親が朝鮮の血をひいているから、もしくは浮島丸の生存者としての海から生まれたというイメージがあるからなのでしょうか」
●倍賞「うーん、そういうこともあるかもしれませんが、この作品に限らずどの作品でも、監督が描かれる女性はいつも強いんです。…でも、監督の映画だからとかじゃなく、世界各国女性は強いんじゃないでしょか(笑)」
     ◆場内から拍手。
●女性司会者「(笑)私もそう思います」
●倍賞「よかったぁ。日本でも女性は強いんですよ。昔も今も」

 

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